agedbeginner’s diary

プログラミング・IT業界、シングルマザーの経済的自立に関することその他について発信

プログラミング学校を卒業して思うこと その7

「学校」は本業ではない?

 もう一度整理すると、「学校」側としては、最低の給与しかもらえない「カス」の就職口の紹介でも、1人あたり100万円が儲かることを見越し、何でもいいからエンジニアを(言葉は悪いが)でっち上げ、素早く押し込むことが資本効率を高め、急成長を可能にするのであって、この「有料職業紹介」こそが本当のビジネスモデルなのである(そう言い切れる理由は後で触れる)。

 もちろん、早く就職をしたいという受講者のニーズと早くエンジニアを養成したいという「学校」側のニーズが完全にマッチしているのであれば、それは互いにハッピーということになるが、コトはそう甘くない。

スクールのシステムの問題点

 採用する企業側としては、「エンジニア」を取りたいのであるから、本来まともに開発もできない未経験者など必要ないし、仮に採用するとしても、せいぜい将来的な伸びを期待しての見込み採用をすることになるから、勢い安く買い叩くことになるし(それが前回書いた年収となるわけだ)、伸び代のある若い人しかいらないということにならざるを得ない(年かさの人が就職できないとまでは言わないが)。

 一方、学校側としては、紹介報酬目当てであるとすれば卒業生の質にこだわる必要はない。むしろ、何でもいいから「エンジニア」とさえ呼べるのであれば企業に押し込めるから、ビジネス的には手抜きをすればするほど儲かることになる(この点において受講生側の利益と対立するモメントがある)。

 実際、私の卒業した「学校」は、一応見栄えのするアプリを作れさえすれば良いという考え方のようであり、アプリ開発における設計手法であるとか、顧客とどのようなことを交渉・打合せするのかということについてはほとんど教えていないし、工期や費用の見積もりに至っては、触れることもない(うちの「学校」の名誉のために補足すると、フリーランスのコースで「卒業後」に案件が取れた際にアドバイスはしてくれる)。セキュリティ設計についても、教材に書かれてはいるという程度で、位置付けとして積極的に教えているとは言い難い。

 なので、フリーランスコースを出ても、フリーランスとしての肝心の経営・設計能力はないわけであるから、見込み客と出会っても何を打合せすれば良いのかすらわからないという珍妙な事態に陥らざるを得ない。

もう一度進度の話など

 かてて加えて、進度である。

 最初の頃に書いたように、「学校」は「理解を犠牲にしてでも速く進め」というスタンスであり、学校側がどう言い繕おうと、現実の卒業生の状況は、習ったことをあまり理解していないと言わざるを得ない。

 さらに言わせてもらえるなら、私の出た「学校」のシステムでは、コンピュータの基礎は全く勉強しない。ただただアプリが出来上がりさえすれば良いのである。

 実際、自分の扱っているPCのCPUが何ビット並列処理をしているかとか、マシン語とは何かとか、フラグって何かとか、サブルーチンという言葉さえまともに知らないと言ったらあなたは驚くだろうか?おそらく大学でコンピュータを学んだ人からすれば、あり得ない話だろうが、事実である。

 私は、オブジェクト指向プログラミングについて、それがなぜ必要なのかを機会があるたびに同窓生に説明して回っているが、サブルーチンという言葉から説明しなければならないのだ。