agedbeginner’s diary

プログラミング・IT業界、シングルマザーの経済的自立に関することその他について発信

有料プログラミングスクールを検討している人に

なぜ有料スクールに行く人がいるのか?

 1月17日のブログ1月24日のブログで無料プログラミングスクールについて詳しく書いたが、就職を確実なものにしたいということであれば、おそらく無料プログラミングスクールを第一に検討すべきだ。

 理由はもちろん、無料の方は、受講生を就職させないと即潰れてしまうビジネスモデルであり、そのために紹介先企業とスクールとの間で受講生の質に関する十分な信頼関係を築いていると思われ、スムーズに就職できると考えられるからだ。

 では、有料プログラミングスクールの方はどうなのか。

 率直に言って、有料スクールがこれだけ栄えている最大の理由は、単純に広告宣伝で無料スクールを凌駕しており、無料スクールが志望者の目に入らないからだというのが、私なりの結論だ。実際、私は以前書いた無料スクールを集計した記事を書くのに本当に苦労した。普通に検索しただけではこれだけの数のスクールが絶対見つからないからだ。

 ただ、無料スクールの存在も知りながらあえて有料スクールに行っている人も多数いるわけで、その点はどうなのかという問題があるが、上記の理由との関係では、おそらく志望者がいろんな意味で安心を求めているからだと思われる。

 「タダほど高いものはない」という常識も当然関係していると思うが、そればかりでなく、ネット上には無料スクールに対する警戒心を煽るアフィリエイトサイトが溢れている一方(以前のブログでも述べたように、これはアフィリエイターのポジショントークだ)、有料スクールが転職保証とか返金保証などといった殺し文句を使って、卒業生の就転職に絶対的な自信があることを表明していることも大いに関係しているだろう。

有料スクールに行くメリットは?

 では、無料スクールではなく敢えて有料スクールに行くメリットはあるのか?

 これはなかなか難しい問いだが、一応次のような理由が挙げられる。

 ①学習できる範囲・分野が広い

 ②自由度が高い

 ③最新の分野について学習できる

 ④綺麗な環境で学習できる

 ⑤クレームを言いやすい

 

 ①についてプログラミングスクールを網羅する過程でわかったが、無料スクールは、就職直結ということがあるためか、コースの選択は比較的限られている一方、有料の方は、実に様々な言語、技術分野、学習スタイルに亘っている。

 したがって、無料スクールの対応する分野に満足できない場合は、有料スクールの選択が現実的となる。特に、ゲーム開発については、一部の例外を除いて無料スクールはほとんど対応していないので、有料スクールに行くことが現実的になろう。

 ただ、無料ということだけであれば、様々なEラーニングシステムがあり、英語のシステムまで含めると、却って無料の方が広いとさえ言えるのが事実だ。

 ②は、やや微妙であるが、対象者の年齢については、大多数の無料スクールにはかなり厳格な年齢枠があるのが現実であるので、30代後半以上の人にとっては、有料スクールが現実的な選択になるだろう(もっとも、以前紹介した42Tokyoなどは、なんら資格制限していないことを明示しているので、むしろこちらの方が自由度が大きいといえば大きい)。学習期間についても、有料スクールは、延長料金さえ払えば伸ばすことも柔軟に対応してくれる余地がある。

 ③も実は微妙である。有料スクールの方が最先端の分野、例えばブロックチェーン・セキュリティ・AI・機械学習などについては、確かに有料スクールが充実している。しかしながら、一方で有料スクールでありながら比較的古い技術を教えているスクールもあるので、一概に言えないという側面がある。

 ④この点は、一般的にはやはり有料スクールに軍配が上がると思われる。有料スクールはHPもそれなりに金をかけたものにしているし、見学時イメージが悪ければ経営悪化に直結しやすいからだと思われる。(これも例外があり、42Tokyoは無料でありながら六本木の高層ビルの中にあるピッカピカのスクールで、300人定員という規模の面でもおそらく別格であろう。)

 ⑤これはさすがに身銭を切っている者の通うスクールの方がクレームを言いやすいに決まっている。ただ、クレームを言って改善してもらえるかは微妙である。実際、メンターの質という点では、有料スクールの方でも素人に毛の生えた程度の「エンジニア」を使っていたりする例がある(現に私の卒業したスクールがそうだった)。

有料スクールの落とし穴は?

 実は、これが大ありなのである。

 有料スクールだからといって、サービス面で無料スクールを凌駕しているとは限らない(例えば、私の卒業したスクールには、参考図書が一冊もなかったので、スクール生が高い受講料を支払った後でなお自費で書籍を購入していたケースが散見された)。また、就職保証や返金保証も実は細かい規定があって簡単には保証を受けられない場合があったりで、私が通っていたスクールでも騙されたといっている同窓生は結構いる(だからと言って、裁判までするほどの金額ではなく、結局は泣き寝入りしているのが現実)。

 また、結局のところ、卒業しただけでは就職がおぼつかないので、改めて自分で別の言語やミドルウェアを勉強し直したりするケースも多く、有料スクールだから安心だとは到底言えないのだ。

とにかくたくさんの比較検討を

 無料スクールにしても有料スクールにしても、実際にはスクールによってあまりにも大きな違いがあるので、どちらがどうとかは単純には言えない。

 したがって、これからスクールを選択するという人に対しては、徹底してたくさんの比較をすることをお勧めしたい。

 私がこのブログの中で無料スクール集大成の記事を書いたのは、実際には無料スクールをネットで探すのが困難なため、一般の方の比較の一助にしてほしいという考えがあってのことだ。(何度も予告ばかりで申し訳ないが、有料スクールについては検索できるような形での提供を考えているが、待っていられない人には、スプレッドシートで情報提供するので、申し出ていただきたい)

 そして、余裕があれば英語のサイトなどを検索してみることを最後にお勧めしておきたい。日本語によるよりはるかに豊かな資源があることに気づくだろう。