agedbeginner’s diary

プログラミング・IT業界、シングルマザーの経済的自立に関することその他について発信

youtuber社長で有名な最大手プログラミングスクールは信用できるか

No.1って、何のNo.1?

 最近ネットで調べうる限り多くのプログラミングスクールを集めてみたが、実に色々なタイプのスクールがあり、どう整理していいのか途方に暮れている。

 その過程で、改めて自分の通ったスクールのHPやその他の資料を検討してみたが、実に詐欺的な内容だったので、ここに紹介しようと思う。

 まず、HPのトップにデカデカと「No.1エンジニア養成スクール」とある。これを見れば、このスクールが何らかの基準でNo.1だということを言いたいのだと誰しも理解するだろう。

 更にページの下の方に行くと、再度「皆様のおかげでエンジニア養成プログラムでNo.1を獲得しました」とまたデカデカと書き、3つの金メダル風のデザインの中に「未経験から理想の就職が出来る」「即戦力までスキルアップ出来る」「サポート体制が充実している」と3つの項目でナンバーワンを獲得したといった意味の記載。

何の根拠もなし

 ところが、その下にある小さい字の注意書きを読むと、「『エンジニア養成プログラム10社を対象にしたサイト比較イメージ調査(2018年11月17日~19日)』より全国の20代~50代の男女148名へのインターネット調査」とある。

 何のことはない、サイトのイメージを比較しただけの話で、スクールの中身について具体的に判断したものではないのだ。仮にもスクールの中身について比較するなら、実際に各スクールを利用した人を対象にしなければならないが、この「調査」は、スクールに無関係な人にサイトの印象だけを聞いたものに過ぎない。HPのデザインの出来とスクールで教える内容や教え方と何か関係があるとでもいうのか?

 このように、HPの記載は、誰が見ても何の価値もない情報であるだけでなく、明らかに見る側に事実と異なるイメージを植え付けることを意図したものであることがわかる。

完全な嘘

 また、HPのさらに下の方に行くと「選ばれる理由」として「未経験専用のカリキュラムやサポート体制によって挫折せずにキャリアチェンジを実現」とか「あなた専属のライフコーチが対面でカウンセリングを行い、日々の学習スケジュールのアドバイスや不安の解消を行うので、挫折することがありません」あるいは「ほぼ確実にプロのエンジニアの技術を身につけることができます。途中で退会してしまう人も、ほとんどが身内の不幸や体調の問題など、どうしようもない事情の方ばかりです」とあるが、このブログの「プログラミング学校を卒業して思うこと その6」で書いたように、夜間・休日スタイルでは実に半数が脱落している(昼間の短期集中スタイルでも私の期は2割が脱落していた)にも関わらず、不都合な事実を一言も書かないで「挫折せずに」と平然と書かれては、「嘘だ!」という他ない。

 それともスクール側は、半数もの受講生が皆「どうしようもない事情」でやめたというのであろうか?

もう一つの嘘

 HPには「いつでも講師に質問し放題で、疑問を解消できる」とあるが、10週間の短期集中コースでは、いつでも質問できるのは最初の6週間だけで、最終課題を共同開発する最後の4週間は、質問が原則禁止なのである。

 実は、前半の6週間についても、いつでも質問できると言いつつ、実態は質問が混んでいてなかなか順番が回ってこないのである(「プログラミング学校を卒業して思うこと その5」参照)。流石に最近はメンターを増員してマシになったようであるものの、それでもなかなか質問できないという状況はあるようである。

 見逃してはならないのは、現在の就職事情を前提とすれば、実務未経験者が就職する場合、個人のオリジナルアプリ(個人アプリ)を作成しないと就職がおぼつかない(「プログラミング学校を卒業して思うこと その6」)にも関わらず、個人アプリの開発についてはメンターのアドバイスが得られないことである。つまり、就職率ほぼ100%みたいなことを言いつつ、実際はその数字さえ卒業後の受講生の個人的努力に支えられており、「学校」はそもそも就職には完全にはコミットしていないのだ。

素人が教えている?

 実を言うと、私がこの「学校」に通っていて最も驚いたのは、受講生に対して頻々とそこのスクールのメンター(講師)にならないかと求人をかけている事実である(独習教材の本文中にしょっちゅう求人案内が挿入される)。

 習っている側は、自分たちの実力を知っているから、そこを卒業しても他人に教えられるだけの実力がないことは百も承知であり、当然キャリアもないから、皆が疑問・不安に思っていた。

 実際、「学校」側は、卒業生で就職に不安を抱いている者に対して、「うちのメンターになったらどうか」とちょくちょく声をかけていたし、質問してもきちんと答えられないメンターが一定数いたことも事実だ(仕方なく受講生が自分で解決するという笑えない話もたくさんある)。

 これは、変な見方をすれば、「学校」がその気になればいつでも「学校」側で就職させさえすれば、就職率100%にできるということでもある。そこまで皮肉な見方はしたくないが、流石によそのスクールではそんなかっこの悪い声かけはしていないのではないか。